「周りのみんなは、どれくらいから受験勉強を始めたんだろう?」
「今から始めたら、もう遅いかな?」
大学受験を目指す人なら、一度は思うことですよね。
そう思うのは当然のことなのに、人によっては
「それぞれにそれぞれの勉強があるんだから、気にするな!」
なんて言われてしまうことも。
けれどもますます不安は大きくなる一方。。。
最適な計画を立てるためにも、不安を少なくするためにも、一応の目安は知っておいた方が良いと私は思います。
そこで今回は
・他の受験生が受験勉強を始めた時期
・大学受験の勉強時間の目安(学年ごとに)
について整理し、あなたの受験生活に役立つ情報を共有したいと思います。
- 大学受験の勉強を始めた時期
- 難関大学合格に必要な勉強時間
- 高1、高2、高3生の勉強時間の目安
- 逆転合格は無理なのか?
- 勉強計画作りのポイント
- 合否を分ける才能以外の要素
- 自分の置かれた状況でのベストを
大学受験の勉強を始めた時期
まず「大学受験に向けた勉強」を始めたのがいつか、東進ハイスクールが広く一般の受験生に行ったアンケート結果を確認します。
【出典:Toshin.com(http://www.toshin.com/news/topic/1404_1.php )】
※ここで言う難関大学とは以下の通り
①国立大学 東京大学、京都大学、北海道大学、東北大学、名古屋大学、大阪大学、九州大学、東京医科歯科大学、東京工業大学、 一橋大学、東京外国語大学
②私立大学 早稲田大学、慶應義塾大学 上智大学、東京理科大学、明治大学、青山学院大学、立教大学、法政大学、中央大学、関西大大学、関西学院大学、立命館大学、同志社大学
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表にある通り、難関大学へ現役合格をする人たちの約4人に3人が、高校二年生以前に受験勉強をスタートさせています。
浪人をしてしまった私としては、皆さんホントに凄いの一言。
皆さんホントに計画的です。
けれども、この円グラフを見ていると、
現役で難関大学に合格した人と合格できなかった人のグラフの数値や割合にはそれほど大きな違いが無いようにも感じます。
高二以前に勉強を始めた人の割合の違いをもう一度よく見てみます。
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現役合格者 →73,2%
現役不合格者→68,3%
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両者の数字を比較しても、5%の違いしかありませんよね。
そこまでの圧倒的差はありません。
だからこのグラフからは、
「勉強をいつから始めようが、大きな問題では無い。」
「受かる人は受かるし、ダメな人はダメ。」
という事も言えるとも思います。
「じゃあ高3から始めれば良いんじゃないか!」
と思った人のためにもう少し具体的に、「勉強に費やした時間は皆さんどれくらいなのか」も見てみたいと思います。
難関大学合格に必要な勉強時間
実際に難関大学に現役合格する人たちは、高校3年間を通じてどれくらいの時間を勉強に費やしているのでしょうか。
同じ東進ハイスクールのアンケートで確認してみたいと思います。
【出典:Toshin.com(http://www.toshin.com/news/topic/1805_1.php)】
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これによると難関大学に現役合格する人たちは、高校三年間で合計4281時間を勉強に費やしています。
やっぱり、こっちもとてもすごい。
もし高校三年生になるまで全く勉強をしておらず、この勉強量を4月から翌年1月までの10カ月間で全てやろうとすると、
・一か月の勉強時間
→4281時間÷10か月で 約428時間
・一日当たりの勉強時間
→428時間÷30日で 約14時間とちょっと
一日14時間以上の勉強を一日も休まず10カ月間継続して、ようやく追いつける計算になります。
数日~数週間くらいなら続くかもしれませんが、10カ月間続けるのはよほどの精神力が無ければ難しそうです。
ここから分かるのは、一定の勉強時間はやはり必要になってくるため、早く始めるに越したことはないという事。
高校三年生になってからでは、確かに決して早めのスタートとは言えないかもしれません。
高1、高2、高3生の勉強時間の目安
それでは一体、高1・高2・高3それぞれの段階では、毎日どれくらいの時間を勉強に費やすべきなんでしょうか。
これまでの数値も参考に、目安時間とそれぞれの時期の考え方を共有したいと思います。
高1の場合
一日の勉強時間は2時間前後を目標の目安にしてみましょう。
休日は3時間、4時間…と頑張ってみるのもアリですし、気分が乗らない日は英単語だけ等簡単に済ませたり、思い切って休むことも問題ありません。
試験前はどうしても普段より長時間勉強するでしょうし、逆に休日は遊びに行くことだってありますよね。
部活をやっている人は、毎日2時間も勉強するのも結構大変。
だから上記を目安にし、あまりガチガチに計画を立ててやりすぎるのは避けた方が良いです。
まだ3年も続くんですから、焦って詰め込みすぎて勉強をやりたくなくなったら一番良くありません。
高校生活、勉強だけじゃないんですから。
正直この時期はまだまだ、勉強なんて全然やらない人も全国にはかなり多くいます。
「頑張れば頑張った分だけ、周りより前に行ける」
こんな風に思って、少しでも前向きに勉強を習慣化できるようにした方が良いです。
また、得意科目や好きな科目だけにしぼって勉強しまくるのもおススメ。
一つでも武器が作れたら、その後の受験生活も大きく好転することもありますから。
特に好きな科目は無いけどとりあえず一科目でも頑張ってみたいと言う人は、英語か数学がおススメ。
(詳細は↓の記事に書いています。)
高2の場合
高校二年生は、1日3時間程度をまず目安にしましょう。
時間がある時にもう少し頑張ってみたり、大変な時は軽めにしたり休んだりするのも、高1の時と同じで良いと思います。
部活等で時間が取れない人とそうでない人との差が激しくなってくる時期でもあります。
「時間がなかなか無い…」
という人は、机に座っている時だけを勉強時間と考えるのはやめましょう。
通学時間やちょっとした休み時間を利用すれば、1日30分から1,2時間くらいは意外と作り出せたりします。
私は浪人時代アルバイトもしなくてはならなかったので、トイレでの勉強を実践してました。
意外なんですが、続けてるとめちゃくちゃ頭に残ります。
単語帳の暗記なんかにはとても良いので、是非とも取り入れてみてください↓。
こちらの記事↓も、ぜひご参考に。
この時期で「自分は遅れ始まってきている…」と感じても、必要以上にあせるのはやめましょう。
先ほどお話しした通り、始めた時期だけで結果が決まる訳ではありません。
「やればそれだけ前に進める」
と思って前向きに取り組むのが一番なのは、これまでと同様です。
高3の場合(夏休み前:4月~7月)
高3になったら、いよいよ受験生と言った感じですよね。
この時期は、1日4~5時間の勉強時間を目安にしましょう。
休日等の考え方はこれまでと同様です。
やる気になっている人や周りの様子の変化に戸惑っている人など、色んな人がいると思います。
そんな高3初めの時期で大切なことは、「ツブれてしまわないようにギアを上げていく」ことです。
この時期に頑張りすぎると、夏休みあたりで力尽きます。
一年間も勉強に集中できる人はごくわずかであり、いくら難関大学に行きたいと言ってもそこまでのレベルである必要もありません。
基本を一つずつ、焦らずにつぶしていくことを心がけましょう。
高3の場合(夏休み:8月)
「夏休みを制する者は受験を制す」
「夏休みは受験の天王山」
なんて言われる夏休みの過ごし方は、確かに大切です。
ここは1日10時間、用事がある日でも5時間以上を目指して頑張りたいところ。
これまでよりいきなり増えますので、「あぁ、嫌だなぁ…」と思う人も出てくると思います。
それでもここは、是非とも頑張ってほしいです。
これまでは勉強の進度は人それぞれであり、進んでいる人もそうでない人も沢山いました。
けれど夏休みが終わったら別。
難関校に受かっていくような人は、このくらいまでに基本的な部分をきっちり仕上げてきます。
多くの高3生が本当の意味での「受験生」に変わるのが、この夏休みなんだと思います。
夏休み中に勉強をやった実感が持てない人は、休み明けに周りを見て「あぁ、なんだかみんな凄く見える…」と気持ちで負けて行ってしまいます。
秋以降はどうしても気持ちが沈むことも多く、気持ちで負けていると勉強どんどんが辛くなっていってしまう。
自分に自信をつける意味でも、この1カ月は基本を抑える事に全力で取り組み乗り切ってみてほしいです。
もちろん、勉強はかけた時間だけじゃないと思います。
それでもここで頑張った人と頑張れなかった人とでは、自信の大きさがまるで変わってくるものです。
最後の最後、土壇場で信じられるのは自分自身だけ。
信頼できる自分になれる様、ひと踏ん張りしてみましょう。
高3の場合(秋以降:9月~12月)
ここからは、自分のレベルに応じて違ってきます。
夏休みと同じレベルで(1日10時間)時間を使えればベストですが、学校もあるので平日は4~5時間くらいになってしまうのではないでしょうか。
ここまでくるともう勉強にかける時間自体はそれほど大きな問題ではなく、自分に必要な勉強をやっていきましょう。
必要な事を頑張っていたら、自然と勉強に1日を使ってしまうものだとは思います。
この時期は寒くなることもありますし、体調管理にも細心の注意を払って、最後までガス欠にならないように計画立てていきましょう。
高3の場合(直前期:1~2月)
ここは精神的にも非常に大変な時期だと思いますので、別途過ごし方について記事を書かせていただいています↓。
この時期はもう、「何時間勉強するか」よりも大切なことが沢山あります。
最後の最後で尻すぼみになってしまわぬよう、落ち着いて頑張っていきましょう。
最後まで頑張ったら、少なくとも今までの自分とは全く違う自分に変われます。
怖くなることもあると思いますが、落ち着いて。
もう少しだけ、頑張って。
逆転合格は無理なのか?
ここまでの内容を読んでいただくと、
「高3でイチから勉強を始めるようでは、もう既にダメなんじゃ…」
という思いにもなりますよね。
けれどもあくまでもこれは目安であり、
「こういう感じで進められたら、無理なく力をつけていけそうだ」
というものでしかありません。
最初の方でお話しした様に、勉強を始める時期で全てが決まってしまうわけではありません。
少々遅いスタートであることは間違いないですが、目標を決めたのなら後はもうやるしかない。
「一年で(ひょっとしたらもっと短い期間で)合格する」というのは、大変ですが決して無理な話ではありません。
(偉そうなことは言えませんが、私は浪人してようやく本腰を入れたくらいですし。。)
なるべくシンプルに考え、やるべきこととやらないことを明確にして勉強をしていきましょう。
シンプルに考えるために何が必要か。
それは、勉強開始時にゴールまでの計画を立ててからスタートすることです。
勉強計画作りのポイント
勉強計画の基本は、「何をどれくらいやるか」を決める事です。
・何を勉強すべきか(やるべきこと、科目、教材)
・どれくらい勉強すべきか(やるべき量とレベル)
この二つが分かれば、後は試験の日までの日数から逆算して、月単位、週単位、日単位の勉強計画を作って実行していきましょう。
勉強すべき全体像を把握(計画作り)
↓
個別の勉強をつぶしていく(毎日の実行)
この意識を持つことで、勉強中でも「今自分はどのくらいの位置にいるのか」が把握しやすくなり、余計な心配が減ります。
そして実行していく中で、「ここはやる必要が無いな」とか「ここをさらにやるべきだな」と言った気付きがあれば、その都度取り入れて微調整していく。
そんなイメージで進めていければ一番良いと思います。
全体の把握から行い、次に細かいところを実践していく。
これが先ほど言った、シンプルに考えるという事。
時間が無い人ほど、最初に全体を見て計画を練るようにしましょう。
もちろん、「時間がまだある!」と言う人も計画性を持った勉強をするようにしてください。
合否を分ける才能以外の要素
時間が限られていると、勉強の密度や量はどうしても多くなってしまうと思います。
けれども現役時に数か月の勉強だけで合格していく人もいれば、多浪を重ねてもなかなか合格が果たせない人もいますよね。
先ほど「勉強を始めた時期の円グラフ」を見た時にも言いましたが、始めた時期はそれほど問題では無い訳ですし。
じゃあ限られた時間で合格する人とそうでない人の違いは、一体どこにあるのでしょうか。
勉強の向き不向きは、やはり一定あるのだと思います。
けれども現役時に全落ちして一浪した自分自身の経験から、才能の差だけでは決してないと私は考えています。
才能以外の重要な要素。
それはいかに計画的に、シンプルに考えられるようにするかなんではないかと思います。
才能は自分の力ではどうしようもできません。
変えられないものについて悩むなんて、それこそ時間がもったいない。
けれど、計画作りなら誰にでもできます。
精度はともかくとして、「勉強すべき教材を見つけて、いつまでにそれをできる様にするか」を決めるくらいであればきっとできる。
私が浪人時代にやったのは、正直その程度の事です。
計画作りの際には、学校の先生や予備校・塾の先生やチューターに相談するのが王道のやり方ですね。
けれどそれができない人にも、現代ではインターネットがあります。
サイトや動画には、使える情報があふれかえってる。
ネットを駆使することで、誰でも勉強計画が立てやすい時代に確実になっているんです。
少なくとも、この記事を見つけたあなたならまず間違いなく問題ありません。
自分に必要な情報を検索して見つけ出す力は十分にある。
私も勉強法とかちょこちょこ書いてますので、よろしければご参考にしてみてくださいね。
(▼関連記事▼)
使える手段はなんでも使って、勉強開始日から試験当日までの計画を立てていきましょう。
自分の置かれた状況でのベストを
今回は、大学受験に必要な勉強時間の話をさせていただきました。
まとめさせていただくと、
・勉強を始めた時期だけが問題なのではなく、早く始めたからというだけで圧倒的有利にはならない
・とはいえ、もちろん早く勉強を始めるに越したことはなく、高校三年生からの受験勉強スタートは、少々遅めのであるとは言える
・それぞれの時期にあった認識で、計画的に勉強していくのが大切
・そうは言っても、一年等限られた期間の勉強で合格することは現実的に可能
・計画作りをまず行い、「何をどれだけやるか」を決めてシンプルに努力しよう
・周りに勉強の相談をできる人がいない場合でも、インターネットを駆使すれば問題ありません
といった感じです。
高3でそれほど勉強してこなかったと言う人は、たくさんの人を追い抜かなくてはいけません。
高校生活の多くを勉強に費やしてきたライバルに勝とうと思ったら、やみくもにやっていてダメ。
覚悟を持ってしっかりと調べて計画を立て、着実に実行していく必要があります。
高1、高2でまだ比較的時間があると言う人も、決して安全な訳ではありません。
ライバルたちはどんなタイミングからでも、必死に考えて勉強してきます。
必死でやる人間の成長は、ホントにすごいものです。
追い抜かれる時はあっという間だということを忘れずに。
あと、浪人生ももちろん負けないで。
今がどんなに情けなく思えても、終わり良ければ全て良し。
諦めなければ、逆転の可能性は十二分にありますから。
いずれにせよ、「ほとんど誰にでもチャンスは転がっている」のが受験。
気をユルめず、逆にあきらめることもなく、合格までの道のりを計画的に過ごしていってほしいです。