こんにちは、こんばんは。
「勉強なんてやりたくないな~」
って思う人は沢山いますよね。
少なくとも、私が高校生の時にはずっとそう考えていました。
周りにも、「勉強がやりたくてしかたない人」なんてほとんどいませんでした。
それでも周りは、「勉強しなさい」「勉強しなさい」としつこく言ってくる。
これだけ言われても勉強のやる気はなかなか出ない。
どうしてなんでしょうか。
第一には、勉強そのものを楽しいと思えないからだと思います。
けれども実はそれだけではありません。
その上に、とても重要な人間の心理が隠れているんです。
人は未来の利益よりも目先の利益を優先する
なかなか勉強をやる気にならない理由。
それを結論から言いますと、人間は未来の利益よりも目先の利益を優先する心理を持っているからなんです。
「勉強すると、この先良いことが待ってるよ~」と言われたとしても、「今」が楽しいことを優先してしまう。
私たちはそういう生き物なんです。
このことを示す有名なものに「マシュマロの実験」があります。
子供に、マシュマロが1個だけ置いてある部屋に入ってもらいます。
そしてその子にこう告げるんです。
「私が帰ってきた時にこのマシュマロが残っていれば、マシュマロを2個あげます」
と。
合理的に考えれば、待っていた方が断然お得ですよね。
すぐに食べてしまえばマシュマロは1個だけ。
けれど待っていれば2個もらえちゃうんですから。
けれどもほとんどの子供が、待ちきれずに部屋に置いてある1個のマシュマロを食べてしまうんです。
行動経済学ではこの心理のことを「現在志向バイアス」と呼びます。
「現在志向バイアス」は通常の人間心理
そして「現在志向バイアス」は子供たちだけの心理ではありません。
普通の人であれば、このような心理は誰でも持っているんです。
その説明するために、少しだけ私の話をさせていただきます。
私は新卒で保険会社に入社しました。
そして入社時の研修中、先輩社員にこの「現在志向バイアス」を理解する重要性について教えてもらったことがあるんです。
その時受けた説明をちょっとだけ共有させていただきます。
保険という商品は通常の商品と違い、買ったその時に利益を得ることができません。
それどころか保険は万が一の時のためのものですから、実際に使わないまま終わる人だっています。
利益を得ることがあったとしても、それはもっと先の未来のこと。
これって、結構特殊な事なんです。
例えばコンビニ等でパンを買う時って、基本的に「すぐに」パンを食べたいと思っている時か、少なくとも「近いうちに」パンを食べたいと思っている時ですよね。
購入すればパンはすぐに手に入り、いつでも自由に食べることができます。
こんなふうに、多くの商品は「買う時≒必要だと感じた時」になるものなんです。
けれど、保険という商品は全く違います。
その必要性に本当の意味で気付けるのは、もっと先の話。
「万が一のこと」が起きた時なんです。
だから「保険という商品」は、お客様を待っているだけで自然体で売れるものではない、と。
お客様が関心あるのは「今、何をしてもらえるのか」だ、と。
だから私たちは、保険の大切さや重要性についてきちんとお客様に説明して可能な限り具体的に未来の想像をしてもらわなくてはいけない、と。
そんな風に、その社員の方は私に教えてくれました。
保険を買ってくれるのは、基本的に大人です。
その大人だって、放っておけば「未来」よりも「今」の事を優先して考えてしまうんです。
本気で勉強をしたい人は未来について考えるべき
少し脱線が長引いてすみません。
皆さんも経験がありませんか?
夏休みの宿題を定期的にやらずに溜めてしまい、最終日辺りにドカッとやる羽目になったとか。
お腹が空いてないなら後で食べればよいのに、もらった美味しそうなオヤツをその場で全部食べてしまったりとか。
私は正にそういうタイプの人間です。。。。
こういう心理が強い人は、勉強をついつい後回しにしてしまうんですよね。。。。
では、それでもどうしても「勉強で結果を出したい!」と思っている人はどうすれば良いのか。
先ほどの話から考えると、「なるべく具体的に未来の想像をすること」が一番です。
未来の世界で、自分はどうなっていたいのか。
それを具体的にイメージする。
受験生であれば、「志望校に通って毎日イキイキとした生活を送っている自分」を想像するとかですかね。
そして考える。
「そんな自分になるには、どうしたら良いのか」と。
具体的なイメージが湧けば、「すぐに勉強を始めなくてはいけない!」と気付けるかもしれません。
少なくとも、「今のままでは、思い描いた自分にはなれない…!」と気付けるだけでも大きな進歩です。
自分に「行動してもらう」ためのコツ
未来の想像をする時の、ちょっとしたコツをお教えします。
人に何らかの行動を起こさせたいときには、2パターンの法則があります。
・その行動がちょっとした決断で出来ることであれば、感情に訴えるのが一番
・その行動が大きな決断の必要なことであれば、理性に訴えるのが一番
これも社会人になってから学んだことなんですが(大学時代にもっと勉強しておくんでした。。。)、けっこう確かなことです。
買い物で説明します。
人が日用品などの「ちょっとした買い物」をする時に、値段が同じであれば何を一番の決め手に買うものを決めるか。
それは、見た目や匂いの印象などの感情に訴える部分です。
食べ物であれば、「こっちの方がおいしそう!」とか、「こっちは凄くいい匂いがする!」とか。
その商品がどんな商品でどれが一番メリットがあるのかなんて、案外気にしないもの。
それよりも、「良さそうだ」という今の気持ちを満たしてくれる判断をしたくなるんです。
逆に家を買うような大きな買い物の時には、理性的な部分がとても大切になります。
「何年に作られていて、材質は何で出来ていて、耐震性能はどれくらいで…」
という情報を集めて、なるべく合理的な判断をしてもらうように促すんです。
これを自分自身にも応用します。
例えば受験生。
未来の自分は、「志望校に通っている自分」ですよね。
未来の自分を想像して、勉強のやる気が上がればベストです。
けれど、「志望校を決めて勉強すること」が自分にとって「ちょっとした決断でできること」なのか「大きな決断が必要なこと」なのかって、よく分からないですよね。
だったら、感情と理性の両方に訴えかけてみるんです。
まず「かっこいい自分」「理想の自分」を沢山想像して、自分の感情に訴える。
そして、「その大学は〇〇学の権威がいる」「就職率が〇〇パーセントと良い」といった客観的な情報を箇条書きで沢山書き出して、理性にも訴える。
こうすれば、少しでも自分を「勉強」という行動を起こしやすい状態に持っていけるんではないでしょうか。
その他、勉強を後回しにしないテクニックとして「作業興奮」という心理も記事にさせていただいています。
こちらの記事↓もどうぞ。
最後に
「未来」と「今」は、確実につながっています。
そして多くの人にとって勉強は、「未来」のために「今」やること。
今の自分が勉強したくなるくらい、大きな希望に満ちた未来を描けるかどうか。
勉強で結果を出す人とそうでない人の違いって、実はそこにあるのかもしれないですね。