今後大学受験を控えている人にとっては大問題である、2020年度からの大学入試共通テストの実施。
2020年度に浪人をする可能性がある人は気が気じゃないですよね。
要するに2019度(2020年1月実施)分はセンター試験の対策で良かったのが、浪人をしてしまうと2020年度(2021年1月実施)分は大学入試共通テストに代わってしまうんですから。
私が当事者だったら、やはりかなり動揺するんじゃないかと思います。。。
そんな浪人生に少しでも前向きになってほしい。
浪人生じゃなくても、大学入試共通テストに怯える人たちの力に少しでもなりたい。
そう思って取り組んだのが、この記事です。
今回の分析に当たっては、大学入試センターが公表している問題作成の方向性を参照し、試行調査(プレテスト)の問題にも実際に触れています。
そのうえで、大学共通テストの中でも特に変化が大きいと私が考える国語と英語について分析を行い、対策を共有したいと思います。
なにぶん、今回の形式でのテスト導入は初めての事ですから、100%正解だとは言い切れないと思います。
あくまでも自己責任にはなってしまいますので、その点はくれぐれもご理解ください。。。
それでも、プレテストの問題傾向や運営当局が示しているスタンスから考えられる、現状で最大限の考察はしたと考えています。
「国語」について
記述式問題はほんの一部
国語の問題の全体像は、下記のような感じです。
第1問 記述式回答用問題(現代文)
第2問 選択問題(現代文)
第3問 選択問題(現代文)
第4問 選択問題(古文)
第3問 選択問題(漢文)
国語では、大問の一つ目、第1問が丸々記述式回答用の問題になっています。
第2問と第3問はこれまでのセンター試験と同様の選択問題のみで、それぞれ論説文と小説文。ここまでが現代文の問題です。
そして第4問に古文が来て、第5問に漢文が来るという構成で、こちらも両方とも全問選択問題のみとなっています。
つまり、これまでと大きく異なった対策をすべきなのは第1問の現代文のみという事。
この記述問題については出題方針もある程度示されています。
それによると、20~30字程度、40~50字程度、80~120字程度の記述式問題がそれぞれ一問ずつ出題される予定だそうです。
そして記述問題の出題趣旨としては、複数の資料やテクストを確認し、考え併せて答えをまとめる力を測りたいみたい。
本文のほかに参考資料がいくつか用意され、各設問に必要な資料を取捨選択して回答をまとめる必要があります。
とは言っても、それほど恐れる必要はないと思われます。
その理由もまとめます。
記述式問題の特徴
問題文自体の難易度がそれほど高くない
実際に解いてみると感じますが、問題文を読むストレスはそれほど高くありません。
本文の他に補助資料を読み、問題に応じて参照しなければいけないんですが、それぞれの資料も難しいというほどのものはありません。
全体を通して落ち着いて読めば、やりにくい印象はあまりないのではないかと思います。
中堅私大以上を狙う層にしてみれば、それほど問題にはならないレベル。
もちろん国立大学対策をしている人にとっても、難易度的にはほぼ対策不要かなと思います。
記述の自由度もあまりなく、本文の表現の切り貼りでほとんど対応できる
記述の仕方も、基本的には本文や資料からの抜粋(いわゆる「切り貼り」)をし、設問に合うように若干修正すればよいレベルのものです。
自分の言葉で考えるようなことは少なく、多少感覚を鍛えれば対応可能だと思います。
国立大学志望者にとってはむしろ簡単と思えるレベルです。
私立大学志望者についても、中堅私大以上の志望者にとってはそれほど問題にはならないのではないでしょうか。
そうでない人にとっても、問題に慣れれば十分に対応できるレベルです。
記述問題については段階式評価が採用されます。
回答の完成度によって部分点がもらえるという事。
そういったことも総合して考えると、むしろ従来の選択問題よりやりやすいと感じる方も出てくるんではないでしょうか。
そしてもう一つ付け加えると、少なくとも共通テストが始まってから数年は、記述式問題部分の得点を採点の対象外とする大学も一定数出てくると思われます。
段階式評価がどのような感じになるのか未知数ですから、数年は様子を見る大学が出ると考えるのが自然です。
それでも心配な人への具体的対策
第1問を最後に解く
記述式問題に苦手意識が強い人は、その他の問題を先に速めに解いて、残った時間で記述問題に取り組むスタイルがおススメです。
具体的には、第2問~第5問を先に解いて(順番はそれぞれ違ってよいと思います。ポイントは、時間がかからない問題からどんどん先に解くこと。)、残った時間で第1問を落ち着いて解くようにしましょう。
その際は各問題の目安時間を事前に設定しておき、計画的に解き進めるようにしましょう。
添削してもらえる環境を整える
浪人生、特に宅浪生は「添削してもらえない事」が受験勉強のネックになることが多いと思います。
卒業した高校の国語の先生とか、身近に添削してもらえる人がいれば是非頼りましょう。
けれども、
「そんな、お願いできる人なんかいないよ。。。。」
という方も多いはず。
宅浪だった私はその気持ちがとてもよく分かります。
その場合でどうしても添削してほしい場合は、インターネットを介して添削してもらえるような講座もあるので積極的な活用を。
お勧めのネット添削指導
記述式問題は必ず周りに見てもらった方が良いと思います。
独りよがりな勉強になってしまう恐れがあるので。
下記がおすすめです。
リンクを貼っておきます。
↓ 添削に長年の実績とノウハウがあるZ会。
↓インターネット家庭教師。
下記は無料体験もあるのでお勧めかと。
「英語(リーディング)」について
記述式問題は無いが問題形式が激変
英語に関しては、従来から問題形式が大きく変わっています。
理由は明確。
英語については今後どんどん民間試験を活用していく方針だからです。
英語力評価については、今後はいわゆる4技能(読む・聞く・話す・書く)重視する方針に変わっていくとされています。
その為の方策として、TOEICやTOEFLといった民間試験を英語力評価に利用しようしているんです。
具体的には、2020年度(2021年1月実施)分から2023年度(2014年1月実施)分については、大学入試共通テストとTOEIC等の民間試験の両方が用意され、各大学はどちらかもしくは両方を選択して学生を評価することができます。
ただこの変革に関しては、消極的なスタンスの大学も多くあったりします。
東大なんかもその一つ。
それは大学側が大学で学ぶために求めている英語力とのギャップがあるためだと思うのですが、脱線しすぎるのでここでは割愛させていただきます。
TOEICの問題形式に似てきている
ここは私の主観でもあるのですが、TOEICの問題形式に似たものとなり、難易度はかなり上がっていると思います。
先ほど共有した様にしばらくは共通テストと民間テストの両方が選択できるんですから、両方対応ができる様にやっておいた方が良さそうですよね。
中学、高校生初期からTOEIC対策を進めるのがおすすめ
民間試験の活用には賛否があるかもしれません。
大人たちは、早速様々な意見をぶつけ合っている様です。
けれど実際にどうにかして乗り切らなくてはいけないのは受験生の皆さん。
正しいかどうかというより、どうすれば良いのかが大切ですよね。
そして現状では、民間試験の活用に対応できるようにしておいた方が無難だとは思います。
民間試験の利用方法の概要も共有しておきます。
高校3年生以降の4月から12月の間に受検した資格・検定試験の結果が大学に提供されるようになるとのことです。
ですから、年内になるべく沢山の民間試験を受けるに越したことはありません。
理想は高校3年と言わず、もっと早い段階から試験慣れしておくのがベスト。
けれど対策を広げすぎるのは効率が悪いので、ある程度特定の民間試験対策を中心として勉強するのが吉です。
そしてどれかを中心に勉強するなら、共通テストと形式も似ていて今後の人生でも汎用性が高いTOEIC対策がおすすめできます。
サラリーマン目線でも、おすすめです。
大学受験用のアプリで有名なスタディサプリがTOEIC対策の講座を出していますので、この機会が正にチャンス。
月々5,000円位からと予備校に行くよりかなり安いです。
試験慣れする意味でも中学生・高校生は、高校三年生になるのを待つのではなく今から勉強を始めてしまうべき。
今の時代、小学生から受けてる人だっているんですから。
積極的に利用しましょう。↓↓↓
スタディサプリ自体は私も利用してみたことがあるんですが、値段の割にはかなり便利ですよね。
気軽に始められますし、コスパは良いと思います。
受験も乗り切れて、その後の人生でも受けていく可能性が高いので、むしろこの機会にTOEICを必ずやっておいた方が良いのではないかと個人的にも思います。
社会人になって初めて必要性に気付いて、焦って始める人が沢山いますから。
そういう意味で早い段階からのTOEIC勉強は一石二鳥。
英検派の方は
ただ、「自分は英検派だ!」という方もいらっしゃると思います。
そんな方には英単語ターゲットやパスナビで有名な旺文社の教材が収録されており、インターネットで一人でも勉強ができる英検ドリルがあります。
発音や聴取問題についてワンクリックで簡単視聴できるので手間が少なくて良い感じです。
5級から準1級まで教材はそろっており、一度購入してしまえば 一年間使い放題なのも使いやすいポイントだと思います。
ピンチをチャンスに変えちゃいましょう。
日程の変更予定は無し
また、各科目の試験時間は若干変わるものの日程については大きな変更はありません。
その年度の1月中旬の2日間で実施されます。
「採点の公平性」は気にするほどでもない
最後に。
大学入試共通テストについて論じる中で、採点の公平性の心配についてよく議題に挙げられます。
先ほど国語の対策の時にお話しした記述式問題の段階式評価。
これは段階別に評価されたものがそのまま各大学に提出され、各大学がそれぞれの基準で点数化するというものなんです。
細かいことは置いておいて、要するに客観的に自己採点するのが難しくなるということ。
自分がどれくらい取れているのか、判断が難しくなるんです。
けれども先ほどお話しした通り、難易度や自由度がそれほど高い問題ではないため、ある程度の手ごたえは分かってくるのではないでしょうか。
それに、各大学もそういった問題点は良く理解しているはずです。
国語と数学に関しては、共通テストの記述式問題部分の対策に悩み過ぎず、志望校の個別試験対策に重きを置いた対策をおこうなうことが最善のスタンスなのではないでしょうか。
>悲しいですが、どちらにせよ受験生からしてみればやるしかないんです。
だったら最善を尽くすのみ。
それ以上のことは、今気にしても仕方ないんですから。
大丈夫。
やってやりましょう。