「勉強を頑張ってはみるんだけど、いまいち成績が上がらない」
「 授業では一応理解できるんだけど、テストになると解けなくてなかなか点数が上がらない」
こんな風に感じながらそれでも勉強を頑張るのは、結構大変ですよね。
勉強に手ごたえを感じられないあなたは、ひょっとすると勉強のポイントをつかみ切れていないだけなのかもしれません。
実は、いつも成績が良い人とそうでない人の差は、勉強のちょっとしたポイントを抑えているかどうかの違いでしかないんです。
暗記したり新しいことを覚えるのが苦手で困っているというあなたも、安心してください。
実はそれ、覚えるのが下手な訳では無いんです。
- 暗記が苦手なのではなく思い出す訓練不足
- インプットとアウトプットの違いを意識
- アウトプット(問題演習)を勉強の中心に
- インプットのゴールは理解すること
- 効率良い勉強サイクルに自然となっていく
- 教科書や参考書は理解しやすいものを
- 「思い出す」が得意になる方法
- 思い出し上手になってお得な生活を
暗記が苦手なのではなく思い出す訓練不足
「覚えるのが苦手だ~」と思っている方は、結構沢山いるんじゃないかと思います。
頑張って暗記しても、すぐに忘れてしまう。
教科書を頑張って勉強しても、テストの時にはいつも忘れてしまって点数はなかなか上がらない。
そんな状態ですから、勉強が辛いものでしかなくなっているんですよね。
実はこの「忘れる」という状態、頭の中からキレイサッパリなくなってしまっている訳じゃないことも多いんです。
頭の中には残っているんですが、出てきにくい状態。
これが、私たちが「忘れてしまった」と感じた時の状態なんです。
整理されていないタンスをイメージしてみてください。
タンスのイメージがしにくければ、机でも何でも構いません。
タンスの中には沢山のものが入っているんですが、ぐちゃぐちゃで整理整頓されていない。
この状態で「あれ出して」と誰かに言われても、すぐにスッとは出てきませんよね。
全然出てこないので、どこかに無くしてしまったんじゃないかと諦めてしまう。
私たちが思う「忘れた」状態は、結構これに近いんです。
「無くした…」と思い諦めてしまったとしても、実はタンスの中にちゃんと入っている。
だから工夫次第で、「忘れにくい状態」に自分の頭を作り変えることは可能という訳です。
インプットとアウトプットの違いを意識
ここで、私たちが普段している勉強についてもう少し整理しておきます。
勉強は大きく分けて2つ、インプット型とアウトプット型に分類することが出来ます。
急にカタカナ言葉が出てきましたが、それほど難しく考える必要はありません。
覚える必要も無いので、「あ~、そうなのか」と思ってもらえれば十分。
インプットとは
勉強の話をする時にインプットと言えば、「知識を頭の中に入れること」だと思えば良いです。
授業を受けたり教科書を読んだり動画を見たりして、新しいことを知る。
これがインプットです。
アウトプットとは
逆にアウトプットとは、「頭の中の知識を、自分の言葉で表現したり説明したりして外に出すこと」を言います。
「問題を解く」というのが一番イメージしやすいと思います。
その他には、誰かに知識を説明したりするのも、アウトプットの一つです。
学校の授業は、先生が知識をアウトプットして、生徒がそれをインプットしている場なんですね。
アウトプット(問題演習)を勉強の中心に
人の頭は、基本的に物事を忘れるように出来ています。
忘れない人間なんて本当に全然いなくて、ほぼ100%の人が、覚えたことを数十分で次々と忘れていってしまいます。
勉強してる内容を完璧に覚えきるなんて、不可能だと思って良いです。
だから一度に完璧を目指すのではなく、忘れるたびに何度も繰り返していくことで頭の中に刷り込んでいくことが重要。
そして更に重要なのが、なるべく問題形式で繰り返すことです。
英単語なら、日本語を見て単語が出てくるように何度も単語帳をやる。
逆に英単語を見て、日本語訳が出てくるように繰り返しやる。
頭の中のタンスから、知識を出す訓練を繰り返し行うイメージです。
何度もやっていると、知識の取り出し方がどんどん上手くなっていく。
アウトプットを勉強の基本にしていると知識の定着もしやすく、テストの点数にもつながりやすい実戦的な力が身につきます。
それなのに多くの人がインプットにばかりの勉強をしてしまっているため、頑張っているのに成績が上がりにくい状態になっているんです。
さきほども言ったように、人はせっかく知識を覚えてもすぐに忘れます。
だからインプットが7、8割くらいできたら、早めにアウトプットに進んだ方が効率的なんです。
インプットのゴールは理解すること
「インプットよりアウトプットを重視して」なんて言っても、
「結局、まずは教科書とかを読んでインプットしなくちゃダメなんだよな~」
「教科書を読んで覚えるのが大変なんだよ!」
というのが本音ですよね。
問題演習を重視すると言っても、頭の中に知識が無かったら問題は解けない。
そう思って、ついついインプットを頑張りすぎてしまう。
実は、ここが一番の問題点。
教科書の内容をできる限り覚えこもうと頑張り過ぎてしまうんです。
インプットの目的は、実は内容の記憶ではありません。
教科書を読んだり授業を聞いたりする時の目標は知識を覚える事ではなくて、内容を理解することなんです。
だから教科書を読んだり授業を聞いたりした時に「あ~、そういうことか」と感じられれば、インプットは完了して良いんです。
効率良い勉強サイクルに自然となっていく
ただアウトプットに移ってすぐには、問題を解けるようになっていないことも多くあります。
大切なのは、問題が解けなかったとしても解説を読んで思い出せるかどうか。
「あ~、あれの事か!」
「うわ~、そんなこと書いてあったな~」
と気付けることです。
間違えた問題の個所をもう一度教科書等で簡単に勉強し直す。
そしてまた、問題演習に進む。
この繰り返しが、一番効率よく実戦的な学力を身につけることにつながります。
もし解説を読んで理解できれば、頭の中には知識があったということ。
最初のインプットが上手くいったということですから、自信を持って良い。
後は繰り返し問題を解く訓練をして、自力で頭の中から知識を出せるようにするだけです。
逆に問題の解説を読んでもピンとこなかった場合は、インプットの段階が不十分で理解が出来ていなかったという事です。
その場合は戻って、もう少し教科書の理解を頑張ってみましょう。
教科書や参考書は理解しやすいものを
仮にもし頑張って読んでも理解できないなら、その教科書がまだあなたには難しいか、あなたには向いていないということです。
もう少し、自分にとって分かりやすい教科書や参考書を探してみてください。
それで勉強してもう少しレベルアップした後、元の教科書に戻ってみる。
こうやって少しずつ、レベルを上げていければ良いんです。
読んでみて半分も理解できない教科書や参考書は、今のあなたには合っていません。
例えば私は浪人中、現代文の勉強をするのに大学受験用ではなく中学生が使う高校受験用の参考書から始めました。
高校生の時には周りのレベルに合わせて教科書や参考書を使っていて、いくら頑張っても問題が解けるようになりませんでした。
けれども浪人になって背伸びをするのをやめて、高校受験用の参考書から始めたら、半年くらいで大学受験の問題も十分に解けるようになっていました。
あせらずに段階を踏んで少しずつ理解を深めていけば、実力は着実についていきます。
「思い出す」が得意になる方法
アウトプットをこなしていけば、思い出すのがドンドン上手になっていきます。
そして思い出すのが上手い人は自然とテスト中にも知識を出すのが上手くなり、点数アップにも直結します。
ここからは「思い出す」ことが上手になるためのちょっとしたコツをもう少し実戦的に、整理して共有できたらと思います。
暗記ではなく理解して覚える
これまでお話ししてきた通り、思い出すためにはきちんと理解することが大切です。
丸暗記でなくきちんと理屈を理解できている。
そうすると思い出すときにヒントが頭の中に沢山ありますから、思い出しやすくなるんです。
長期定着もしやすいですから、やっぱりある程度きちんと理解しながら勉強することが大切なんですね。
何かと関連付けて覚える
全く新しい事を、そのまま覚えようとするのは難しい。
試験等、いざという時に使える知識になりにくいんです。
知らないことをただただ覚えるのって、ストレスも大きいですよね。
だから、なるべく覚えやすくする工夫が必要。
例えば、ゴロの活用がこれにあたると思います。
イイクニつくろう鎌倉幕府とか。
フジサンロクニオウムナクとか。
なんとなく覚えやすいリズムを付けたり、すでに知っている事柄と関連付けて覚えると、記憶に定着しやすいんです。
タンスの棚にタグを付けて、引き出しやすいようにするイメージですかね。
気持ちを落ち着ける
何かを思い出そうとする時には、なるべく心を落ち着けることが大切。
落ち着いて、ゆったりと考えること。
気持ちが焦っていると、何も手につかなくなってしまいますよね。
試験の時に、これは特に大切になってきます。
試験に緊張は付きモノ。
適度な緊張はむしろ必要だったりするんですが、過度な緊張は避けたいところです。
緊張の話は別の記事でもう少し細かく書かせていただいています。
こちら↓から是非。
思い出せない事の周辺事項から思い出す
何かと関連付けるのは、覚えるときだけじゃなく思い出す時も大切です。
関連知識から順を追って考えていくと、意外とスッと思い出せたりするものなんです。
しっかりとした理解があると思い出しやすいのは、こういった理由もあるんですね。
遠回りに見えて、実は一番確実に記憶を引き出す方法だったりします。
また、例えばそのことを覚えた時の周りの景色を思い出したり、覚え方自体を思い出したりするのも効果的。
覚える時も思い出す時も、五感をフルに使って脳に刺激を与えるのがコツなんです。
思い出すことから一旦離れる
「あぁ、思い出せない…」
となると、何とかして思い出そうとついついこだわってしまいがち。
けれどもそんな時は、あえて一旦距離を置くことも重要です。
先ほど言ったように、思い出す作業のコツは脳に刺激を与えること。
同じ事をずっと考えていると、脳が慣れてしまって刺激が無くなってしまいます。
マンネリ化してしまうんですね。
だから一旦違うことを考えて、脳に違った刺激を与えてみましょう。
テストであれば、一旦先に進めて違う問題を解き進める。
そうしている内に、急に「ポンッ」と思い出したりします。
十分な睡眠を取る
脳の引き出しを開きやすくするには、メンテナンスが大切です。
そのためにかなり重要なのが、十分な睡眠。
寝不足だと脳に十分な酸素が行き届かなくなります。
これは本当にパフォーマンスが下がりますから、絶対ダメ。
睡眠にはホントに高い価値観を持ってほしいです。
睡眠についても別記事↓で考えています。併せてご覧ください。
思い出し上手になってお得な生活を
思い出すことが上手になると、周りの人にも好かれやすくなります。
自分の事を覚えてくれている人に、人は好感を持ちやすいもの。
名前とか、好きなものとか苦手なものとか、何気なく言った一言とか。
そしてもちろん受験に関しても、思い出す訓練は本当に大切。
受験の最終目標は、テストで上手く自分の知識を引き出すことですから。
この記事を読んで一つでも多くのことがあなたの参考になったら幸いです。