こんにちは、こんばんは。
今回は人の脳について、年代ごとの二つの性能に視点を置いて共有したいと思います。
流動性知能と結晶性知能
流動性知能
新しい事を記憶したり、図形や絵を見て直感的に情報処理したりする力のことです。
数字の並びを見て直感的に法則を見つけたり、単純な情報を処理する能力。
ものごとを丸暗記したりする力でもあるそうで、受験生にとってはなるべくあってほしいと思う能力ですよね。
流動性知能のピークは18歳~25歳程度であり、その後は落ちていくといわれています。
受験生の頃に正にピークを迎えるんですね。
結晶性知能
これまでに得た知識や経験が土台になる、いわゆる経験知といわれるような力のこと。
ものごとを考えるときに、これまでの経験・知識を利用する力です。
自分が持っている知識がそれぞれつながっていき、連動して深まっていくんですね。
結晶的知能は大人になっても頭を使えば使うほど育っていき、60歳くらいにようやくピークを迎えるようです。
60歳がピークということは、経験を積めば積むほど、能力は高めていけるということ。
丸暗記したり直感的に問題を処理することはそれ程得意ではなくなっていくけど、すでに持っている知識と関連付けて理解して習得したり、思考したりする力は増えていく。
そういう感じですかね。
詰め込み型の「受験勉強」にも意味がある
何でもかんでもとりあえず詰め込む様な「詰め込み教育」に対しては、批判的な意見が出され、「ゆとり教育」へのシフトがなされましたよね。
「詰め込み教育は羅列された知識の習得ばかりを強要するばかりで、自分で考える力が育たない・応用が利かない」と。
けれども、脳の成長過程を踏まえれば、「詰め込み教育」はある意味で理にかなっているんじゃないでしょうか。
ものごとを論理的にじっくり考えたり、判断したりする力は、心配しなくても大人になってからどんどん伸びていきます。結晶性知能は60歳まで伸びるんですもんね。
だから、新しい事を習得しやすい学生の時期に、とにかく沢山の事を学んでおく。
この理屈で更に言うと、詰め込み型の受験勉強も理にかなってると言えます。
今勉強していることが全く無意味だと思えたとしても、それは将来ものごとを考える時の土台になる訳です。
知識が増えれば増えるほど、結晶性知能は力を発揮していきます。
だから「学校の勉強なんて意味が無い」と簡単に自分から切り捨ててしまうのは、もったいないですよね。
流動性知能は鍛えることが出来る
流動性知能は、鍛える事も十分に可能であると言われています。
新しい事に沢山触れ、脳を使っていくことで、年齢による流動性知能の低下に抵抗することが可能なんですね。
また、「やれば出来る」と信じている人の方が流動性知能は高めやすいといいます。
自分の力を信じている人の方が、結果として力をつけやすくなるんですね。
自分の得意な方法で勝てば良い
だから、仮に何年も浪人を重ねていたとしても、自分は不利だと悲観する必要はありません。
それに、これからは大人になるにつれ結晶性知能がどんどん高まっていきます。
また、これからは生き方がどんどん多様化していきますから、大人になってから大学受験を志すような人も増えていくのではないかと思います。
改めて勉強をしなおす時に、
「ああ、記憶力が落ちたなあ」
なんて感じても、心配する必要はありません。
年齢を重ねるほど結晶性知能は高まっていくのですから、結晶性知能としての思考力で補い、今ある知識と関連付けて覚えていくと良いでしょう。
今自分が持っている力をどうやって活かし、伸ばしていくかが大切なんだと思います。